C型肝炎について
C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。日本のHCV感染者は150万人以上いるとされています。HCVは主に血液を介して感染します。
HCVは、感染力は弱いが、いったん感染すると持続感染になりやすいのが特徴です。
感染経路は、主に血液感染、母子感染、性行為感染があげられます。
血液感染について
①輸血
②刺青等(ピアスの穴あけ、針治療、アートメイク等)
③注射器の使い回し
④血液への接触
母子感染について
・予防手段はない
→リスクは2~10%と低い。また、自然に排除(自然治癒)される例もある。
・母がC型肝炎ウイルスに感染している赤ちゃんの検査について
→出生後12ヶ月以降に行うのが望ましい。
性行為感染について
・性行為で感染する可能性はあるが感染力が弱いため感染する確率は低い。
・血液中にウイルスが存在しているので、生理中、出血を伴う性行為で感染すると考えられる。
C型肝炎に感染すると
・C型肝炎ウイルスに感染すると急性肝炎を発症し、多くの方がそのまま肝炎が持続し慢性肝炎に移行します。慢性肝炎の状態が約20年続くと肝硬変へと進行し、肝硬変から約7~10年で肝がんの出現頻度が高くなります。
・肝がんになる確率は、健常者の1000倍、さらに肝硬変となると4700倍に高まるといわれています!
C型肝炎の診断は?
・採血にてC型肝炎ウイルス抗体検査を行います。抗体検査で陰性であれば感染なし、陽性であればさらに検査が必要となります。
・福岡市に住民票のある方で、これまでウイルス肝炎の検査をしたことがない方は、無料でB型とC型肝炎の検査ができます。
以下に該当する方は検査を
・過去の健康診断で肝機能の異常を指摘されたことがある。
・1992年(平成4年)以前に輸血を受けたことがある。
・大きな手術を受けたことがある。
・出産時に大量出血があった。
・使い回しの針で注射されたことがある。
・血液製剤を投与されたことがある。
・長期間、血液透析を受けている。
・ボディピアスをしている。
C型肝炎と診断されたら
・定期的に検査(採血、エコーなど)を受けましょう。症状がないから、調子がいいから大丈夫とは誤った考えです。
・採血で肝炎の程度、エコー検査で肝がんの有無などの評価が可能です。
・治療としては、肝臓の炎症を抑える治療(ウルソ、強ミノCなど)から、肝炎ウイルス排除を目指す治療(インターフェロン療法など)などがあります。
・飲酒、肥満などは、肝炎を増悪させるので、禁酒や適度の飲酒、ダイエットなどが重要です。