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かくれ脱水に注意

夏場の脱水と聞くと、多くの人が原因として熱中症や食中毒の嘔吐下痢をあげられると思います。
ただ、脱水は室内の日常生活の中でも起こることがありますので、注意が必要です。


☆かくれ脱水は、予防が大切

「かくれ脱水」は、本人が気づかないうちに体内の水分が足りなくなっている状態をいいます。放っておくと、夏場ですと熱中症になることもありますので、なるべく早く対策を打ちましょう。

かくれ脱水はお年寄りに起こりやすいものですが、若い人でも、夏バテや二日酔いの時に起こります。お年寄りは体内に水分を蓄える力が衰えるうえ、トイレの回数を抑えようと水分を控えたりするので、なりやすいのです。

日頃から、こまめな水分補給を心がけましょう。大量に汗をかいた時は水だけでなく塩分など電解質の補給も必要ですので、ポカリスエットなどのスポーツドリンクや、薬局で売っている経口補水液(OS-1など)が推奨されています。自分で補水液を作製することも可能です。







☆手の甲をつまんでチェック

かくれ脱水は、自分でも簡単にチェックできます。

方法は、手の甲をハンカチを拾うようにつまみ上げてから(下の写真参照)、すぐに離してみます。つまんだ跡が消えるまでに3秒以上かかると、かくれ脱水の可能性があります。これで自分だけでなく、様子がおかしいと思った他の人の状態も確認することができます。

今までに比べ、つばが出にくくなったり、口の中が渇いたり、あるいは、便がかたくなったり、便秘といった症状も目安になります。

体調管理の参考として、定期的に確認し、かくれ脱水にならないようにしましょう。もし、様子がおかしいと思った時は、かかりつけの医師の診断をあおいてください。



正しい喘息治療のススメ

PM2.5の影響か、喘息の調子を崩している方が少なくありません。注意しましょう。


☆喘息とは‥

空気の通り道である気管支の病気です。

喘息の人の気管支は過敏で、種々の原因(ホコリ、大気汚染、ストレスなど)によって気管支の粘膜が反応して炎症でむくみ、たくさんの痰が分泌されたり、気管支の筋肉が縮んでしまったりして、気管支が細くなってしまいます

ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴が聞かれ、呼吸が苦しくなります。喘息は発作時はとても苦しい病気ですが、発作がおさまれば普段と変わらないのが特徴です。





しかし、発作がない時にも気管支には慢性的にアレルギー性の炎症が起こっていることがわかり、放置すると気道壁が厚く硬くなって元に戻らなくなってしまう構造的変化(リモデリングと言います)がおこり、喘息が重症化し、難治性突然死の原因となってしまいます。

よって、発作がない時にも炎症を抑える治療を継続することが必要です。




☆気管支喘息の予防

クリーンな環境が大事です。

こまめの掃除など清潔を心がけましょう。ダニや埃動物の毛などは喘息悪化の原因。
換気に気をつかう。冷暖房時にも窓をあけて空気の入れ替えを。余分な湿気や埃などは喘息の悪化の原因になります。

禁煙!タバコはもちろん喘息の悪化の原因として有名です。


☆気管支喘息の治療

「コントロール良好」の状態を目指すことによって、リモデリングの進行を抑えることができます。
以下の項目を認める場合は「コントロール十分」です。

喘息症状を週1回以上認める
発作治療薬を週1回以上使用する
運動で喘息が悪化する
年に1回以上は悪化のため病院受診する

「コントロール良好」の状態が続く場合は薬物の減量や中止を検討します。


☆治療薬について

炎症を抑える治療が基本となり、ステロイドを含む吸入薬を定期的に使用することが推奨されています。追加薬として、ステロイドと異なる抗炎症作用を有するロイコトリエン受容体拮抗薬を使用したり、痰の量が多い時は去痰薬、感染の合併を認める場合は抗生剤を使用することがあります。

喘息発作や増悪時は、一般的にメプチンのような即効性のある気管支拡張薬などが使用されますが、この類のお薬のみで過ごされている方が少なくないようです。前述の「コントロール良好」の状態であればそれでも問題ありませんが、「コントロール不十分」な状態にもかかわらずこの類のお薬のみは危険です。理由は、この類のお薬はリモデリングの進行を抑えることができないからです。

不眠症に注意点

不眠の治療は、生活習慣の改善や原因の除去がまず大事です。睡眠や不眠に対する考え方、対処法の基本は以下のようになります。


☆眠れる環境作りが大切です

・ぬるめのお風呂でリラックスする。

・コーヒーや紅茶などカフェインを含むものを寝る前に飲まない(就寝4時間前までに)。

・寝酒や、寝る前の喫煙を控える(お酒も就寝4時間前まで)。

・夜はリビングルームの照明を控えめにする(パソコン、iPadなどLED表示の電子機器の夜間の使用は避ける)。

・眠りを誘う、心を落ち着かせる音楽などでリラックスする。


☆睡眠時間とりすぎていませんか?

人間は起床から17時間くらいで眠くなるようになっています。→遅い時間に起床すると眠くなる時間も遅くなります。

早寝-遅起きは特に高齢者にとっては睡眠時間のとりすぎになることも。不眠で悩まれている場合は、布団にはいっている時間を7時間以内に制限してみてください(早めに寝る、ダラダラと寝床にいるのは逆効果)。

同じ時刻に毎日起床しましょう。そうすることで睡眠のリズムがついてきます。

昼寝は控えましょう。昼寝のしすぎは不眠の原因となります。昼寝をするなら、15時までに2030分間まで!

眠りが浅いときは、睡眠時間の取りすぎかもしれません。むしろ積極的に遅寝・早起きに。

睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ十分。

睡眠時間の取りすぎは、睡眠薬の効果も落ちます。早寝・遅起きの生活パターンでは睡眠薬は効きづらくなりますので注意。

(例えば、眠くならない早すぎる時間帯に睡眠導入薬を使用しても、薬の効きは悪くなります。その場合は、予定起床時間の7時間前くらいに睡眠導入剤を使用してみてください。いつもより少し夜ふかしをして、眠くなってから睡眠導入剤を飲むのもよいでしょう。)


☆不眠症治療の注意点

睡眠薬は、種類によりますが少なからず依存形成があります。よって、必要最小限のものをなるだけ長期間使用しないようにするのが原則です。

週に3回以上睡眠導入薬の内服をしている場合は、内服をやめると逆に寝つきが悪くなることが多いため、内服をやめる時は医師への相談が必要です。

睡眠薬の作用は睡眠作用の他に、筋弛緩作用、認知機能の低下などがあげられます。これらの作用によって、特に高齢者においては転倒などの事故や異常行動などを引き起こすことがあるので要注意です。寝れないからと過量に内服することは危険です。


☆うつ病に注意

うつ病を合併している場合は、うつ病の治療が必要な場合もあります。不眠症の5人に1人はうつ病とも言われています。以下の2つの症状のいずれかがある場合は、うつ病の可能性があります。

①この1ヶ月間、気分が沈んだり、ゆううつな気持ちになったりすることがよくある。

②この1ヶ月間、どうも物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくある(例:おいしいものを食べたいと思わなくなった)。

 また、うつ病の不眠は、就眠困難よりも、途中覚醒、早朝覚醒といった睡眠維持の問題が多いです。寝つきが悪い場合はうつ病より不安症で多いので、抗不安薬が有効のこともあります。

食中毒にご注意ください

もう夏の季節が目の前です。夏は食中毒を起こしやすい季節となりますので、ご注意くださいね。

ここでは、感染性胃腸炎(食中毒もその一つ)の症状や対処法などについて述べたいと思います。


○胃腸炎の原因は、細菌、ウイルスなどによるものです。一般には、夏には細菌性の胃腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性の胃腸炎(ノロウイルス等)が多く発症します。ほとんどが特別の治療を必要とせず、腸管の安静や整腸剤のみで34日で軽快しますが、発熱を有する場合(特に38度以上)、下痢の回数が1日(6~)10回以上、血便、強い腹痛などの中等症から重症に相当する可能性がある場合は、抗生剤の投与なども検討します。


○胃腸炎にかかったときは
 水分や休養をしっかりとって安静にします。ただし水分だけでも嘔吐してしまう場合は、無理して摂取するのは逆に脱水をきたしますので、その際は23時間ほど水分摂取を控え様子をみてください。症状が落ち着いて食欲がでてきたら、お粥やうどんなど消化の良いものを少しずつ摂取しましょう。肉類は油ものは体調改善するまで控えたほうが無難です。


○胃腸炎の治療について
 腸管の安静を保ち、腸管に炎症を起こす原因となっている菌や毒素などが一刻も早く排出されるのを待ちます。下痢止めのお薬は、腸の動きを止めてしまうのでなるべく使用しないようにします。整腸剤の摂取は、乱れた腸内環境を整える効果があり、下痢症状などの改善を促します。カンピロバクターやサルモネラなどの細菌性胃腸炎の場合は、抗生剤を使用することもあります。腹痛や吐き気などの症状には、それを抑えるお薬を使うことがあります。脱水傾向がある場合は、輸液を考慮します。

発熱や血便が続く場合や症状の改善が悪い場合は、受診をお勧めします。

禁煙外来のご案内

当院では、随時禁煙外来を行っています。

詳細は、当院ホームページの禁煙外来のページを参照ください。
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Author:arimuraclinic
福岡市中央区荒戸、港、大手門、大濠公園そば、の内科クリニックです

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