正しい喘息治療のススメ
PM2.5の影響か、喘息の調子を崩している方が少なくありません。注意しましょう。
☆喘息とは‥
空気の通り道である気管支の病気です。
喘息の人の気管支は過敏で、種々の原因(ホコリ、大気汚染、ストレスなど)によって気管支の粘膜が反応して炎症でむくみ、たくさんの痰が分泌されたり、気管支の筋肉が縮んでしまったりして、気管支が細くなってしまいます。
ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴が聞かれ、呼吸が苦しくなります。喘息は発作時はとても苦しい病気ですが、発作がおさまれば普段と変わらないのが特徴です。
しかし、発作がない時にも気管支には慢性的にアレルギー性の炎症が起こっていることがわかり、放置すると気道壁が厚く硬くなって元に戻らなくなってしまう構造的変化(リモデリングと言います)がおこり、喘息が重症化し、難治性、突然死の原因となってしまいます。
よって、発作がない時にも炎症を抑える治療を継続することが必要です。
☆気管支喘息の予防
クリーンな環境が大事です。
こまめの掃除など清潔を心がけましょう。ダニや埃、動物の毛などは喘息悪化の原因。
換気に気をつかう。冷暖房時にも窓をあけて空気の入れ替えを。余分な湿気や埃などは喘息の悪化の原因になります。
禁煙!タバコはもちろん喘息の悪化の原因として有名です。
☆気管支喘息の治療
「コントロール良好」の状態を目指すことによって、リモデリングの進行を抑えることができます。
以下の項目を認める場合は「コントロール不十分」です。
・喘息症状を週1回以上認める
・発作治療薬を週1回以上使用する
・運動で喘息が悪化する
・年に1回以上は悪化のため病院受診する
「コントロール良好」の状態が続く場合は薬物の減量や中止を検討します。
☆治療薬について
炎症を抑える治療が基本となり、ステロイドを含む吸入薬を定期的に使用することが推奨されています。追加薬として、ステロイドと異なる抗炎症作用を有するロイコトリエン受容体拮抗薬を使用したり、痰の量が多い時は去痰薬、感染の合併を認める場合は抗生剤を使用することがあります。
喘息発作や増悪時は、一般的にメプチンのような即効性のある気管支拡張薬などが使用されますが、この類のお薬のみで過ごされている方が少なくないようです。前述の「コントロール良好」の状態であればそれでも問題ありませんが、「コントロール不十分」な状態にもかかわらずこの類のお薬のみは危険です。理由は、この類のお薬はリモデリングの進行を抑えることができないからです。